講義「音声学入門」(前川喜久雄)/言語学レクチャーシリーズ(試験版)Vol.2

講義「音声学入門」(前川喜久雄)/言語学レクチャーシリーズ(試験版)Vol.2

国立国語研究所 言語学レクチャーシリーズ(試験版)Vol.2です。言語学の基礎を学べる動画教材シリーズです。試験版ですがぜひご活用ください。

講師:前川喜久雄(国立国語研究所教授)
内容:
・音声とは,音声学とは
・音声器官
・音声(言語音)の分類
―子音の分類
―母音の分類
・まとめ

●言語学レクチャーシリーズ 再生リスト

#言語学レクチャーシリーズ

国立国語研究所の前川喜久雄です

今日は 音声についての話をいたします

「音声学」とは どのような研究領域でしょうか

また そもそも 音声とはどのようなものなのでしょうか

音声とは 人間が話し言葉において

言語情報を伝達するために 人体を使って生成する音のことを言います

別名「言語音」とも言います

音声は 舌・喉頭・唇など いわゆる音声器官の複雑な協調運動によって生成されます

また

日本語と英語 中国語のように言語が異なると

そこで用いられる言語音のレパートリーも変わってきます

人類の諸言語で用いられる多種多様な言語音を体系的に分類するための知識体系は

「一般音声学」と呼ばれます

一般音声学では

言語音がどのように生成されるか という観点から言語音を分類します

従って「調音音声学」とも呼ばれます

さて

それでは 実際に音声がどのように生成されるのかを理解してもらうために

一つの動画を見てもらうことにしたいと思います

これは 医療用のMRI装置を利用して

20代の男性が イソップ寓話の『北風と太陽』を朗読したときの

音声器官の運動を 記録した動画です

音声に重なって騒音が聞こえますが

これは MRI装置が稼働する際に発する騒音です

それでは ご覧ください

ある時 北風と太陽が ちから比べをしました

旅人のマントを脱がした方が勝ちということに決めて

まず 北風から始めました

旅人は 北風が吹けば吹くほど マントをしっかりと 体にくっつけました

今度は 太陽の番になりました

太陽は 雲の間からあたたかな光をおくりました

旅人は だんだん 良い心持ちになって

しまいには マントを脱ぎました

そこで 北風の負けになりました

この動画を見ると 舌や唇だけでなく

さまざまな音声器官が 複雑に協調しあって

音声を生成していることがわかります

このような現象を 正しく理解するためには

まず 音声器官についての知識を持つことが 必要になります

音声器官とは

人類が 言語音の生成のために利用する人体の諸器官のことを言います

具体的には 肺・気管・喉頭

声帯・舌・歯・唇

口蓋・咽頭・口腔・鼻腔などの器官です

これらの器官は

進化の上では 本来音声のために進化したものではありません

もともと 呼吸や食物の摂取のために用いられている器官を

言語のために利用しているものです

いま ご覧いただいている図は

音声学の教科書に掲載されている 音声器官についての説明図です

非常に たくさんの情報が記載されていますが

今日は 時間が無いので

最も重要な概念である 「声道」について説明をします

多くの言語音は 肺から流れ出る 呼気流によって 生成されます

いま 図の上に示された緑色の矢印が

呼気流の流れを示しています

この呼気流の通路を 「声道」 声の道とい言います

声道の輪郭を 抽出すると このようになります

また これをさらに単純化すると

この図のようになります

いま ご覧のように

声道は 入り口が一つで 出口が二つの管となっています

入り口のところの管には 「咽頭」

唇の側の出口には「口腔」

鼻の側の出口には 「鼻腔」という名前がついています

また 鼻腔と口腔を隔てる部分には

「口蓋」という名前がついています

口蓋の先端部分は 「軟口蓋」と呼ばれます

この部分です

軟口蓋は 筋肉から出来ており

上下に移動することが出来ます

軟口蓋が 持ち上がると

軟口蓋の先端は 鼻腔を遮断します

その場合 声道は 咽頭と口腔だけから形成される 単純な管に なります

また 口腔の下面を形成する舌や

口腔の出口を形成する唇は

さまざまに変形することが出来ます

その結果 口腔の形は 非常に大きく 姿を変えることが出来ます

一方

鼻腔は 形を変えることが出来ません

私達は 口腔の形をさまざまに変化させること

また

鼻腔を 接続したり遮断することによって

さまざまな音声を 生成しているのです

最後にもう一つ

重要な音声器官として「喉頭」があります

喉頭は 咽頭の入り口にあたる部分に位置する 軟骨で形成された器官です

喉頭の内部には 左右一対の ひだがあります

これが 「声帯」です

声帯は 肺からの呼気流によって振動することが出来ます

私達が「声」と呼んでいるものは

この声帯の振動によって生み出される音のことです

声は 音声の生成において 非常に大切な役割を果たしています

この図は 音声・言語音全体が おおまかにどのように分類されるかを示したものです

まず最初に 言語音は 分節音と超分節音に分かれます

分節音は 子音や母音のように 音の音色で区別される言語音です

我々が使っているアルファベットが表しているのは

主にこの分節音の特徴です

一方 超分節音は

音色ではなく

音の高さや強さのような特徴によって 区別される言語音です

この図では 子音が 肺臓気流子音と非肺臓気流子音に分かれています

肺臓気流子音は 大部分の子音で

肺から流れ出る呼気流によって 作り出される子音です

しかし 世の中には

肺からの気流を使わないで生成される子音

すなわち 非肺臓気流子音もあります

今日は 時間の制約があるので

肺臓気流の分節音だけを 取り上げます

最初に 母音と子音の区別について 説明をすることにしましょう

まず 母音ですが

母音は 音響的には 喉頭にある声帯の振動によって生じた音

すなわち 声が 声道の共鳴をこうむって生じる音で

周期性の共鳴音です

母音を作り出す時

声道中には 呼気流に乱れを生じさせるような 強い狭めは存在しません

一方

子音を作り出す時の声道の中には 強い狭めが存在し

それによって 声道を通過する気流に

乱流

流れの乱れが生じます

子音には

乱流だけからなるものと

乱流と声の両方からなるものがあります

前者を 無声子音

後者を 有声子音と呼びます

では ここからしばらく

子音をどのように分類するかという話題について説明します

現在 世界的に最も広く用いられている音声の分類体系である

国際音声記号

インターナショナルフォネティックアルファベット IPAでは

子音を分類するのに四つの基準を用います

1番目は 声の有無です

声帯が振動しているかしていないか という観点からの分類です

2番目は 調音様式と呼ばれる観点です

これは 声道の中の狭めが どのような性質の狭めであるか という観点からの分類です

3番目の基準は 調音位置と呼ばれます

これは

声道のどこに狭めが形成されているか という観点からの分類です

最後に 気流生成機構という基準があります

これは どのようにして 声道中に空気の流れを作り出すか

という観点からの分類です

今日は 時間の制約がありますので

このうち 最初の三つについてだけ説明をします

最初に 声

すなわち声帯の振動について説明しましょう

いま ご覧いただいているスライドは

ファイバースコープを用いて

声帯の振動を 実際に撮影したものです

図の左半分に示されているように

鼻から細いファイバースコープを挿入し

喉頭の真上から 左右の声帯の振動を撮影したものです

撮影速度は 毎秒2000コマ以上であり

それを 通常の速度で再生していますので

いわゆるスローモションの画像になっています

それでは スローモーションの動画をご覧ください

左右一対のひだからなる声帯は

いま ご覧のように

規則的な振動を繰り返しています

開いたり閉じたりを繰り返しており

開いた時には 空気の流れがそこを通過しています

このような振動が1秒間に何回生じるかを

音声の基本周波数といいます

基本周波数の単位は Hz(ヘルツ)です

声帯の振動のあり方は一通りではありません

我々は さまざまな声を出すことが出来ます

ここに示した3種類のサンプルのうち

左は 先ほどお見せした普通の発声ですが

真ん中は 「息漏れ声」と呼ばれる声

そして右は「きしみ声」と呼ばれる発声です

それぞれ 動画をこれからご覧ください

息漏れ声の発声では

いま ご覧のように

声帯は 完全に閉じることがありません

画面の上側

これは 背中の側にあたりますが

そこに 常に 空間が残されており

声帯が 完全に閉じることがありません

この隙間からは常に息が漏れており

文字通り「息漏れ声」と言われる音になります

普通の発声が「えー」 であるのに対し

息漏れ声での発声は「えー」 のような音になります

続いて 「きしみ声」の動画を再生します

きしみ声の声帯振動の特徴は

いま ご覧のように

声帯が閉まっている区間が 非常に長いことです

また 声帯振動が必ずしも周期的ではなく

不規則性が観察されることがあります

普通の発声が「えー」であるのに対して

きしみ声は 「えー」のようになります

このような 声帯の振動のあり方の違いは

発声様式の違いと呼ばれています

ここでちょっと横道に逸れることにします

発声様式の違いは 日本語では言語音ではありません

つまり 単語の意味を変える力は持っていません

しかし

パラ言語情報と言われる種類の情報

すなわち

話し手の意図や態度などの情報を 伝達するためには

一定の役割を果たしています

いま 「駅」 ステーションの意味の「駅」ですが

「駅」を中立

落胆

疑い

という3種類のパラ言語情報で 発音をしわけた音を聞いてみてください

まず 中立です

「駅」

「駅」

次に 落胆

「駅」

「駅」

最後に 疑いです

「駅」

「駅」

これらの音声では 異なる発声様式が用いられていることを

聞き取れたのではないでしょうか

実を言うと

先ほど見ていただいた3種類の発声様式の声帯振動は

これらの単語の冒頭部分を記録したものなのです

続いて 調音様式の説明に移ります

調音様式は 先ほど説明しましたように

声道の中の狭めがどのような性質を持つか という観点からの分類でした

この図が示しているように

調音様式は まず最初に

「口腔内で気流の通路が完全に閉鎖されてしまうタイプ」の音と

「口腔内の気流に 狭い通路が残されているタイプ」に分類されます

そして それぞれが さらに細かく分類されていきます

今日は時間の制約で

その内 前者に属する「閉鎖音」

「鼻音」

そして 「はじき音」

そして 後者に属する「摩擦音」について取り上げます

最初に 「閉鎖音」と「鼻音」について説明します

これらの調音様式では 口腔の中で気流の流れが 完全に閉鎖されます

例として

日本語の「タ」 と「ナ」の調音を MRIの動画でご覧ください

標準語話者の男女各2名ずつが発音した

「タ」と「ナ」の動画を再生します

「タ」

「ナ」

「タ」

「ナ」

「タ」

「ナ」

「タ」

「ナ」

日本語の「タ」「ナ」の場合

声道の閉鎖は

舌先と歯茎が接触することによって 形作られます

そして「タ」の場合

軟口蓋が 持ち上げられており

鼻腔への通路は遮断されています

一方「ナ」の場合

軟口蓋は下がっており

鼻腔への通路が開いています

このように

鼻腔への通路が遮断されている場合を「閉鎖音」

それが開いている場合を「鼻音」と言います

いま 画面の右側に表示したのは

両者の調音様式の違いを 典型的に示すスナップショットです

赤い線で示したように

軟口蓋の位置が 両者では違っていることがわかると思います

次に 「はじき音」について説明します

日本語では ら行の子音がはじき音だと言われています

はじき音は 声道の閉鎖時間が極めて短い閉鎖音だと説明されることがあります

それでは 動画をご覧ください

この動画では

日本語の「タ」と「ラ」を比較しています

先ほどと同じく男女2名ずつの標準語話者による動画です

「タ」

「ラ」

「タ」

「ラ」

「タ」

「ラ」

「タ」

「ラ」

この動画を見るとたしかに

はじき音の場合の閉鎖の持続時間は 極めて短いことがわかります

しかし それと同時に

閉鎖音とはじき音では 閉鎖の作り方がやや違っていることもわかります

閉鎖音では 舌の前面と歯茎が接触して閉鎖を作っているのに対し

はじき音では 舌の先端部分と歯茎が接触することによって

短い閉鎖が形成されています

このような細かな違いも 調音音声学の研究対象です

最後に「摩擦音」を取り上げます

摩擦音は 声道の中に細い気流の通路が 残されているタイプの狭めです

日本語では さ行の子音などが 摩擦音だと言われています

それでは また動画をご覧ください

この動画では 日本語の「サ」と「タ」を比較しています

「サ」

「タ」

「サ」

「タ」

「サ」

「タ」

「サ」

「タ」

スナップショットをよく見ると

閉鎖音である [ t ]

右側の方では

舌と口蓋 歯茎が完全に接触しているのに対し

摩擦音である 左側 [ s ] では

舌先と歯茎の間に 細い通路が残されていることを見てとることができます

最後に 調音位置について説明しましょう

音声学では 閉鎖の形成に関わる音声器官の組み合わせによって

調音位置を 詳細に分類します

いま ご覧いただいているのは

国際音声記号IPAが規定している十数種類の調音位置の表です

この表の一番上にある「両唇音」は

上下の唇が合わさること

もしくは 接近することによって 狭めが形成されるタイプの調音位置です

表の4番目

「歯茎音」は 舌端と呼ばれる舌の前面が

歯茎(しけい)(歯茎(はぐき))に 接近 もしくは 接触することによって

狭めが形成されるタイプの調音位置です

表の7番目 「軟口蓋音」は

舌の奥の部分

奥舌面と軟口蓋が 接近もしくは 接触することによって狭めが形成されます

それでは 調音位置の違いを理解するために

日本語の「パ」「タ」「カ」の調音運動を 観察してみましょう

先ほどと同じく 男女2名ずつによるデータです

「パ」

「タ」

「カ」

「パ」

「タ」

「カ」

「パ」

「タ」

「カ」

「パ」

「タ」

「カ」

スナップショットが示しているように

「パ」では両唇

「タ」では歯茎

そして「カ」では 軟口蓋で

閉鎖が形成されていることが よくわかります

次に

「後部歯茎音」と「そり舌音」の例を示します

これは 男性話者1名によるサンプルです

最初に 「後部歯茎摩擦音」を再生します。

[ʃɑ]

[ɑʃɑ]

続いて 「無声そり舌閉鎖音」です

[ʈɑ]

[ɑʈɑ]

後部歯茎音では

舌端が 歯茎よりも やや後ろの位置で口蓋と接触しています

そり舌音では 舌先が反りかえるように持ち上げられ

後部歯茎音よりも さらに後ろの位置で口蓋と接触しています

後部歯茎音は 日本語の「しゃ」や「じゃ」によく似た音ですが

そり舌音は 日本語では用いられません

日本語の子音では 用いられない調音位置を さらに二つ紹介します

「硬口蓋音」と「咽頭音」です

まず 硬口蓋の閉鎖音です

[cɑ]

[ɑcɑ]

続いて 咽頭の摩擦音です

[ʕɑ]

[ɑʕɑ]

硬口蓋での閉鎖音では

舌の中央部分

中舌面といわれる部分が持ち上がり

口蓋の一番高い部分と接触します

咽頭摩擦音では

舌の付け根の部分

舌根といわれる部分が後退し

咽頭壁に接近しています

IPAはこのような方法で

人類が諸言語で用いているさまざまな子音を網羅した 子音チャートを構成しています

いま お示ししているのは

「肺臓気流機構の子音のチャート」です

この他に 「非肺臓気流機構の子音のチャート」もあります

以上で 子音についての説明は終わりです

次に 母音について説明しましょう

IPAにおける母音の分類基準は 以下の三つです

すなわち

1.円唇性

これは 唇に 丸め ないし 突き出しが有るか無いかという基準です

2番目は 舌輪郭の最高点の前後位置です

3番目は 舌輪郭の最高点の上下位置

もしくは高低の位置です

IPAでは

これらの特徴の組み合わせで基本母音を定義し

諸言語の母音は 基本母音との類似性で記述します

このスライドは 「舌輪郭の最高点」とは何か を説明したものです

いま 映っているのはドイツ語の7種類の母音をMRIで撮像し

その舌の輪郭を抽出して重ね合わせたものです

それぞれの輪郭の一番高い点にマークがふってあります

このマークを見ると

それぞれの母音ごとに マークの位置は少しずつ異なっていることがわかります

基本母音の図を示します

最高点の前後位置は 前舌母音か 後舌母音かに分類されています

また上下位置は狭母音

半狭母音

半広母音

広母音に分類されています

基本母音には1番から8番までの番号がふってありますが

白丸の数字

すなわち1から5までは非円唇母音

そして黒丸の6から7は円唇母音です

基本母音には いま お見せしている第1次基本母音と

第2次基本母音があります

両者の違いは 唇の状態の反転にあります

すなわち 第1次基本母音と第2次基本母音とでは

唇の状態が逆転します

第1次基本母音で円唇母音であったものは

第2次基本母音では 非円唇となり

逆に第1次で 非円唇であったものは

第2次で 円唇となります

基本母音は 第1次 第2次とも

特定の言語に存在する母音ではなく

人工的に規定された母音です

これから音声学者が発音してみせた

第1次基本母音の調音をMRIの動画でご覧にいれます

これは アメリカの南カルフォルニア大学の研究グループが撮像して

インターネットに公開している画像です

この動画では MRI装置の雑音を

デジタル処理で除去しているため やや ひずんだ音声になっています

最初に 前舌の狭母音を再生します

[i]

[i]

次に 前舌の半狭母音です

[e]

[e]

前舌の半広母音です

[ε]

[ε]

前舌の広母音です

[a]

[a]

後舌の広母音です

[ɑ]

[ɑ]

後舌の半広母音です

[ɔ]

[ɔ]

後舌の半狭母音です

[o]

[o]

最後に 後舌の狭母音です

[u]

[u]

このグラフは 別の音声学者が発音した

第1次基本母音の 舌の輪郭からその最高点を抽出したものです

ご覧のように

最高点のデータは 基本母音が想定している関係を だいたい満たしています

しかし 細かく見ると完全にではありません

例えば 後舌母音の最高点の高さは

前舌母音に比べて 一般にかなり低くなっています

実は 音響学の観点からすると

舌の最高点を決めるだけでは

母音の音色を決定することは出来ないことがわかっています

母音の音色を正確に計算するためには

声道の全体の3次元形状を決める必要があります

基本母音は その意味では 不十分な情報しか提供していません

しかし

未知言語の記述や 外国語音声の教育のためには

経験的に非常に有益であることがわかっているので

いまでも 広く使われています

最後に

日本語の語母音と基本母音との関係を検討してみましょう

この図は

標準語話者2名が発音した日本語の語母音のデータに

舌の最高点のマークを加えたものです

このようなデーターを 7名分集めてプロットしたものが

いま ご覧になっているデータです

人間の声道は 個人ごとに大きくサイズが異なりますので

それを調整した結果を 示しています

このグラフを見ると

日本語では

「あ」の分布が非常に広い範囲に広がっていることがわかります

また「う」と「え」 の分布が近いことも 日本語の特徴かもしれません

先のグラフを簡略化して

第1次基本母音のチャートに重ねると このような感じになります

ここからわかるように日本語の母音の中には

第1次基本母音と 完全に対応するような母音はありません

以上で 母音についての説明も終わりです

さて この講義のまとめをしましょう

この講義では

音声・言語音の分類方法について説明しました

このような知識体系は 「調音音声学」と呼ばれています

調音音声学は未知の言語の研究や

方言の研究には必須の知識です

また 音声言語としての外国語教育にとっても必須の知識です

しかし 日本語や英語のように

比較的よく研究されている言語についても

まだ 未解明の問題がたくさん残されています

そして 現在も研究が盛んに続けられています

最後にこのスライドは

この講義で利用した資料の出典を示したものです

それでは これで私の講義を終わりにします

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